ものづくりだより317号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
ロール加工と製缶加工を気密溶接にて接合した
久しぶりに製缶加工を行いました。
機械加工とロール加工は協力企業さんに
お願いしまして、溶接組立を行いました。
材料
SS400orSPHC t=19mm 9mm 6mm
直径1350mm高さ350mm
工法
・Mag溶接orTig溶接
・底板、側板をレーザーにて加工。
・加工後ロール屋さんで加工依頼。
・Tig溶接にてタック溶接
・治具をつくりセンターが出せるように工夫します。
・Mag溶接にて全周気密溶接をしていきます。
・漏れを確認するために浸透探傷試験にて確認。
パラメーター
電源装置:Panasonic YC-300BP4 DC
溶接電流: 150A
交流周波数:NA
溶加棒: TG-S50φ1.6 2.0
電極: レアタングステン
シールドガス : Ar
予熱 : NA
電源装置:Panasonic YD-350GZ4
溶接電流: 115A〜155A
溶接電圧: 15.1V〜
交流周波数:NA
溶加棒: 大同特殊鋼 DD-50A φ1.0
シールドガス : Ar+Co2
まとめ
Mag溶接で気密溶接は結構厳しいところがあります。
どうしてもスタート地点が溶込みが浅いので、ピンホールが
出やすいですね。
溶接スピードが速いので突合せ部を確実に狙って外さないように
接合していかなければなりません。写真では欠陥がないように写っていますが
3〜4箇所は欠陥が発見できました。
ちょっとしたノウハウですが、あらかじめTIG溶接で所々溶接をしておきます。
その後Mag溶接で頑張ってつなぎ目のところまで走ります。
次のスタートは下地のできた溶接部をかぶらせて始めたら欠陥が効きませんね。
技術があればこのような手間のかかることをしなくても良いでしょうが、
念のために、このような処置をとりました。
溶接材料は大同特殊鋼さんのDD-50A です。
このワイヤーは今使っている電源及び混合ガスと
とても相性が良く、なめらかにつきます。スパッタもほとんど出ません。
超おすすめです。
参考
大同特殊鋼さんのDD-50A
https://www.daido.co.jp/products/weld/mild/index.html
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