TB340チタンフランジ溶接時の注意点
ものづくりだより334号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
TB340チタンフランジ溶接時の注意点についての
ご案内になります。
材料はチタン丸棒φ60orφ25 長さ455mm
フランジ部分φ285厚み20mmです。
工法
・Tig溶接
・溶接部をバックシールドしてコンタミ発生を回避。
パラメーター
電源装置:Panasonic YC-300BP4 DC
溶接電流: 115A
パルス電流: NA
パルス周波数: NA
パルス幅: NA
交流周波数:NA
溶加棒: Ti-2 1.0mm 1.6mm
電極: レアーアースタングステン
シールドガス : Ar100%
予熱 : NA
まとめ
円周溶接の際、トーチ角度が悪く一部酸化気味です。
本来ならNGです。しかしコンタミ部分は機械加工で
完全に削り落としコンタミ部分を除去できますから製品として使えます。
チタンはちょっとしたことでコンタミネーションを起こすので
溶接時は神経をすり減らします。しかし上手くシールドができた場合には
銀色のきれいなビートに仕上がります。
ここでおさらいですが、チタンはどうして酸化反応を起こすのでしょうか?
チタンは高温ではアクティブで大気との親和力が強く、大気中の酸素や窒素と
反応して溶接部に酸化物を作り出します。
酸化物は堅くてもろいので、欠陥部分から割れが出てくるためです。
なので溶接欠陥を起こさないように、熱影響部が酸化しないように
450℃以下に冷却されるようにアフターシールドガスで
温度を下げてやる必要があります。
溶接シールドガスと連結したアフターシールドガスで溶接部を酸化から
守ってやります。ちょうどトラクター(溶接装置)がトレーラー(冷却装置)を
引っ張っているイメージですね。
溶接後、目視試験をして、PT試験にて漏れ検査を確認しました。
参考
溶接情報センターさんのホームページ
http://www-it.jwes.or.jp/qa/details.jsp?pg_no=0020030150
http://www-it.jwes.or.jp/qa/details.jsp?pg_no=0020030190
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