溶接

DUCATI SS900 アルミスイングアーム補修事例

ものづくりだより468号
おはようございます。株式会社上村製作所　上村昌也です。
前回に続きオートバイのDUCATI SS900 アルミスイングアーム
補修事例のご紹介です。
写真にてご確認できると思いますがスイグアームの可動部近傍部分が
クラックが入っている事がはっきり確認できます。

作業としましては、リューターに超硬バーを取り付け亀裂部分を
丁寧に削除していきます。どこまでクラックが延伸しているか
不明ですが無くなるまで除去しなくてはなりません。

浸透探傷検査で現像部が現れない所まで堀進み最後に
もう一度検査を行います。2枚目の写真の様に、
赤色が現れなければ一応除去作業は完了です。

次はTig溶接にて肉盛り溶接を行います。
抵入熱にて溶接して行く事が勘どころです。溶接が一通り
出来上がれば、もう一度浸透探傷試験でクラックがない事を
確認できれば完了です。あとはキャップボルトが挿入できるように
ペーパーで整えば作業は完了です。

余談ですがイタリアデザイナーの巨匠ピエール・テルブランチ作の
バイクだけあって非常に美しいです。特にTig溶接と思うのですが
ビートの美しさが最高です。もしかしたらフロニウスMIG溶接で
やっているのかもしれません。そのぐらいのポテンシャルはあります。

スイグアームをオブジェとしても良いぐらい完成度高いデザインですね。
日本には4気筒と言う素晴らしいエンジン文化が有りますが
イタリアならではのデザイン文化が最高と思います。

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