【2025年最新】京都銀行新春経済講演会レポート:伊藤元重氏と茂木健一郎氏が語る日本経済の未来
ものづくりだより480号
おはようございます。株式会社上村製作所 上村昌也です。
新年恒例、京都銀行主催の新春経済講演会に今年も参加してまいりました。
会場は、例年通り京都市勧業館「みやこめっせ」です。
今年のテーマは、日本経済の展望と企業戦略。
第一部では、経済学者の伊藤元重氏が「不可実性の時代」と題して講演を行い、
第二部では脳科学者の茂木健一郎氏が「AIアライメント」という概念を提唱しました。
どちらも大変興味深く、今後のビジネス戦略を考える上で示唆に富む内容でしたので、
レポートとしてまとめさせていただきます。
第一部:伊藤元重氏 講演「不可実性の時代」
伊藤教授は、金融危機からコロナ禍までの過去30年を「安定と停滞の時代」と定義し、
コロナ禍を経て現在は「不可実性の時代」へと突入したと述べました。
これは、30年ぶりの大きな転換期と言えます。
具体的には、30年間続いたデフレ経済から脱却し、経済が活性化するとのこと。
伊藤教授はインフレ経済への移行を明確に示し、その上で、毎月20日頃に発表される
消費者物価指数を常に確認することの重要性を強調しました。
高齢化が進むと消費が減退し、再びデフレ経済に戻ってしまうのではないかという意見に対しては、
需要が供給を上回る状況が続くため、デフレに戻る可能性は低いと述べています。
これは、私自身も実感しているところです。
また、企業にとって重要な点として、労働者の賃金が物価上昇率以上に上がる企業に人材が
集まるようになると指摘しました。人材獲得競争が激化する中、企業は賃金戦略を改めて
見直す必要があると言えるでしょう。
最後に、日本経済の回復を実現するためには、安定的な「国内投資」が不可欠だと述べました。
過去30年間、大企業が国内投資を怠ってきたことがデフレの大きな要因の一つだと指摘し、
今後の投資増加による需要増加、そして賃金上昇という好循環への期待を表明しました。
伊藤氏が長年訴え続けている国内投資の必要性、改めてその重要性を認識させられました。
第二部:茂木健一郎氏 講演「AIアライメント」
茂木健一郎氏の講演は今回初めて聴講しましたが、難しい専門用語を並べるのではなく、
ユーモアを交えながら分かりやすくお話される姿が印象的でした。
講演の冒頭では、歌舞伎の演目「忠臣蔵」に登場する祇園花見小路の「一力茶屋」に
行きたいという話で会場を沸かせ、場を和ませていました。
本題では、日本の人工知能に関する研究費が、Google、Amazon、Microsoftといった
巨大IT企業と比べて圧倒的に少ないという現状を指摘。AI開発において、日本はこれらの
企業に太刀打ちできないと述べました。
では、日本はどうすれば良いのでしょうか?茂木氏は「AIアライメント」という言葉を
提唱しました。AIアライメントとは、AIが人間の意図や感情を理解し、人間の目標達成に
貢献するようにすることです。
茂木氏は、日本人はAIを活用するのが得意であるため、AIアライメントで勝負すれば世界で
十分に戦えると断言しました。さらに、日本人は他人から評価されなくても「生きがい」を
感じながら仕事に取り組むことができる国民性を持っているため、AI時代においてもこの特性を
活かした企業経営を行うべきだと語りました。
講演後、茂木氏の著書であるベストセラー『生きがい』を早速購入しました。内容は哲学的で、
AI時代を生き抜くためのヒントが詰まっていると感じています。
まとめ
今年の講演会は、昨年に引き続き大変素晴らしい内容でした。特に、経済の転換点と企業の
未来について深く考えることができ、今後のビジネス戦略に活かせるヒントを多く得ることが
できました。京都銀行様には、このような貴重な機会を設けていただき、心より感謝申し上げます。
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