産業機械分野

【A6061-T6曲げ加工】クラック発生の原因と対策 – 実証試験結果を解説

【A6061-T6曲げ加工】クラック発生の原因と対策 – 実証試験結果を解説

ものづくりだより415号

おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
今回は、A6061-T6 4mmの曲げ加工におけるクラック発生とその対策について、

実証試験の結果を報告します。

A6061-T6は、軽量で強度が高いため、様々な分野で利用されていますが、曲げ加工に
おいてはクラックが発生しやすいという課題があります。 特に、板厚が厚い場合や、
曲げRが小さい場合には、より注意が必要です。

今回の試験では、長さ300mm、板厚4mmのA6061T-6材を用い、内R5と内R6で曲げ加工を
行いました。 結果は、内R5ではクラックが数カ所発生しましたが、内R6ではクラックなく
健全な曲げ加工ができました。

JISアルミニウムハンドブックでは、板厚3.2mmで2.5×t(板厚)、4.8mmで3tが推奨されており、4mmの場合は中間の2.8t、すなわちR11.2が目安となります。

しかし、実際にはR11.2のような大きなRを使用すると、下型ダイ幅も大きくなり、
立ち上がり寸法が短い場合には曲げ加工ができない場合があります。 そのため、ギリギリの
ところを狙って曲げ工程を行う必要があります。

また、材料のロール目も曲げ加工に影響を与えます。 通常はロール目に対して直角方向に曲げますが、材料が長い場合には、ロール目に対して平行に曲げることがあります。 この場合、クラックが発生しやすくなるため、注意が必要です。

今回の試験では、内R6で曲げることでクラック発生を回避することができましたが、
これはあくまで一例です。 実際の曲げ加工では、材料の板厚や曲げR、ロール目などを考慮し、
適切な加工条件を設定する必要があります。

曲げ加工でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

参考

中央労働災害防止協会さんのサイト
https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-28/hor1-28-14-1-0.htm

 

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#アルミ溶接 

パンチR5 少しクラックが見られます

パンチR6健全に曲がってます。

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