【A6061溶接のプロが解説!アルミ溶接の最新技術と事例紹介】
ものづくりだより336号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
【A6061溶接への挑戦:熱処理合金の特性と対策】
今回は、熱処理合金であるA6061の溶接についてお話します。普段からA6063の溶接は頻繁に行うのですが、最近ではA6061の溶接依頼が増加傾向にあります。個人的には、A6016という材料にも非常に興味を持っています。
文献によると、Al-Mg-Si(6000)系材料は、AlにMgとSiを添加した合金で、熱処理型の中強度で成形性に優れた合金とされています。成形性は非常に高く、溶接に関してもA6000系と同様に問題なく行えるようです。A6016は、まだ市場にはあまり出回っていませんが、自動車のボディなどに広く使用されているとのことです。
個人的な見解ですが、アルミは柔らかい素材でありながら、成形時に脆くなる傾向があります。そのため、成形時には柔らかく、後から強度を上げられる時効硬化材が最適だと考えています。A6016は、焼き付け塗装の熱で硬化するベークハード性(BH性)を持つ材料であり、プレス時には延性を保ちながら、焼き付け塗装後に降伏点を高めることが可能です。
加工画像です。熟練の技術者が、A6061材の特性に合わせた精密なTIG溶接を行っています。美しい溶接ビードが、高品質な溶接の証です。今回の製品は公表できません
【自動車業界におけるアルミ材料の可能性:軽量化への貢献】
ベーク処理が可能な材料が自動車業界で標準的に使用されるようになれば、大幅な軽量化が期待できます。現在どの車種にA6016が使用されているかは不明ですが、初代NSXのパネルアウター材料には、BH性の高い6000系時効硬化性材料が開発・使用されていたようです。ただし、当時はA6016は存在していなかったと思われます。また、パネルインナー材料には、成形性に優れたA5052 O材が使用されていたとのことです。
文献によると、圧延用合金としてJIS規格に登録されているのは、6061、6101、6951のわずか3種類のみです。形鋼のA6063に比べて、圧延材は圧倒的に少ないため、市場への流通量が少ないのも納得できます。
最近では、自動車メーカー様からのA6000系材料の成形・溶接に関するご依頼が増加しています。EV化による軽量化のニーズが高まっているためでしょう。自動車の総重量において、バッテリーが大きな割合を占めることを考えると、軽量化は重要な課題です。
【まとめ:アルミ溶接に関するご相談は、プロの技術者へ】
A6061をはじめとするアルミ材料の溶接は、専門的な知識と技術が必要です。高品質な溶接、板金加工業者を選ぶことは、製品の品質、性能、安全性に影響を与えます。EV車などの軽量化ニーズに対応するために、アルミ溶接に関するご相談があれば、ぜひ一度お問い合わせください。
参考
https://www.furukawa.co.jp/jiho/fj114/fj114_09.pdf
https://www.kobelco.co.jp/technology-review/pdf/62_2/013-017.pdf
https://www.goo-net.com/magazine/newmodel/car-technology/64746/
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