【熱処理合金A6061溶接のやりかた】
ものづくりだより269号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
12/15/2022記事更新しました。
【はじめに】
この記事では、【熱処理合金A6061溶接のやりかた】について解説します。あまり国内では溶接されていない熱処理合金A6061容器の製作事例を
通して、A6061の溶接方法と注意点について解説します。A6063よりも強度が高く、自動車産業などで広く使用されているA6061の溶接は、
高度な技術を要します。製作過程で得られた知見を共有し、読者の皆様の参考になれば幸いです。
*A6061とは?その特性と用途*
A6061は、アルミニウム合金の一種で、マグネシウムとシリコンを添加することで強度を高めた材料です。熱処理によってさらに強度を向上させる
ことが可能で、航空機や自動車の構造材、スポーツ用品など、幅広い分野で使用されています。
- A6063よりも強度が高い
- 溶接性に優れている
- 耐食性が高い
*A6061溶接の難しさ*
A6061は熱処理材であるため、溶接時の熱影響による強度低下や変形に注意が必要です。適切な溶接方法と条件を選択し、高度な技術で溶接を
行う必要があります。
- 熱影響による強度低下
- 溶接後の変形
- 適切な溶接条件の選定
*A6061容器の製作事例*
今回、お客様からのご依頼で、A6061製の特殊容器を製作しました。以下に、使用材料と溶接条件を示します。
- 材料:A6061 t=15mm 550×650×185(輸入材)
- 溶接方法:TIG溶接(交流)
- 電源装置:Panasonic YC-300BP4
- 溶接電流:200A
- 交流周波数:200Hz
- 溶加棒:A5356BY φ2.4,3.2
- 電極:純タングステン φ3.2
- シールドガス:He-Ar
- 予熱:100℃
*A6061溶接のポイント*
- 予熱:JISハンドブックには、A6061への予熱は推奨されていません。やむを得ず行う場合は100℃以下で行います。
- 溶加棒の選定:A6061の溶接には、A5356などの適切な溶加棒を選択します。
- シールドガス:He-Ar混合ガスを使用することで、安定したアークと良好な溶接結果が得られます。
【まとめ】
A6061の溶接は高度な技術と経験を要しますが、適切な方法と条件を選択することで、高品質な溶接が可能です。当社では、A6061をはじめと
する特殊材料の溶接にも対応しております。高度な溶接技術でお客様のニーズにお応えします。溶接に関するご相談は、お気軽にお問い合わせ
ください。
株式会社上村製作所
[電話番号]075-982-2931
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