【アルミが燃える!?】ヘリウムガスと溶接の関係、スマット・ススの発生原因と対策
ものづくりだより203号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
【はじめに】
この記事では、A5052 アルミ材を使用した溶接加工についてご紹介します。材料の厚みが 15mm、
8mm、4mm と異なるため、溶接条件の設定や変形制御が重要となります。特に、狭いリブ間隔での
溶接には工夫が必要で、今回はジグを用いた拘束と適切な組立順序によって高精度な仕上がりを実現
しました。
溶接条件
- 溶接機:Panasonic YC-300BP4
- 電流:交流 200A
- 交流周波数:400Hz
- シールドガス:Ar+He
- タングステン:純タングステン 3.2mm
- 溶加棒:2.4mm or 1.6mm
- 予熱温度:200℃
- ワークサイズ:320×350×80
- 材料:A5052 T=15mm、T=8mm、T=4mm
製作のポイント
- 狭いリブ間隔(35mm)での溶接は、トーチ操作が制限され、難易度が高いです。
- 溶接変形を最小限に抑えるため、ジグを製作し、ワークをボルトで拘束しました。
- 組立順序を誤ると、溶接できない箇所が生じるため、注意が必要です。
- ヘリウムガスの混合比が高いと、材料が燃えてスマットやススが付着します。トーチ操作や手の
動きが制限されるため、溶接には熟練の技術が必要です。
まとめ
今回は、リブ間隔が狭く、材料の厚みが異なるアルミ溶接の事例を紹介しました。ジグによる拘束、
組立順序の工夫、そして熟練の技術により、反りを1mm以内に抑え、高精度な仕上がりを実現しました。これからも省エネルギー、CO2排出削減のため、環境に優しい
アルミ溶接加工品の製作を主体として、社会に貢献してまいります。
株式会社上村製作所
[電話番号]075-982-2931
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アルミ溶接
アルミ溶接、全面マシニング加工
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