【宇宙の神秘を捉える!高精度アルミ製望遠鏡鏡胴の製作秘話】
ものづくりだより129号
【はじめに】
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。今回は、天体観測学者様からのご依頼で製作した、直径490mmのアルミ製反射望遠鏡の鏡胴製作事例をご紹介します。天体観測という、非常に精密さが求められる分野で、当社の技術がどのように貢献できたのか、その過程を詳しくお伝えします。
【天体望遠鏡の仕様】
今回製作した天体望遠鏡の主な仕様は以下の通りです。
- 鏡胴:材質:アルミニウム合金A5052、直径:490mm、長さ:1900mm、板厚:1.2mm、溶接:軸方向全周溶接(TIG溶接)
- バンド部:材質:アルミニウム合金A5052、板厚:10mm
- 固定取付部:材質:アルミニウム合金A5052、板厚:50mm、15mm
【製作のポイント*高度な要求への挑戦】
今回の製作で特に重視したのは、お客様からの以下の要求です。
- 軽量かつ高剛性であること(観測時に鏡胴が可変するため)
- 高い真円度(レンズ挿入時のクリアランス確保のため)
これらの高度な要求に応えるため、私たちは以下の点に特に注意を払い、技術力を駆使しました。
- アルミ板をロール後、胴巻き内部に梁を入れ、溶接変形を抑制
- 溶接突き合わせ箇所にバッキング処理を実施
- 溶接距離が長いため、パルスTIG溶接を用いて溶け込み量を均一化
これらの工夫により、軽量でありながらも非常に高い剛性を持ち、精密な観測を可能にする鏡胴を実現しました。特に、真円度の高さは、レンズ挿入時のクリアランス確保に不可欠であり、当社の技術力が光る部分です。
製品保護の為ビニールを貼った状態。精密な溶接技術により、高い真円度を実現したアルミ製鏡胴。慎重な作業が、高品質な製品を生み出します。
【お客様との連携*信頼を形にするものづくり】
今回、ウェブを通じて初めてお取引させていただいたお客様は、工場から比較的近隣の方でした。そのため、仕様に関する綿密な打ち合わせが可能となり、スムーズに作業を進めることができました。お客様との密なコミュニケーションは、私たちのものづくりにおいて非常に重要な要素の一つです。お客様の要望を正確に理解し、それを形にするために、私たちは常に最善を尽くします。
顧客立会い検査を待っている様子
【まとめ*技術力とネットワークで、無限の可能性を】
今回の天体望遠鏡鏡胴の製作事例は、当社の技術力と柔軟な対応力を示す良い機会となりました。私たちは、少人数ながらも幅広いネットワークを持ち、協力業者様との連携により、どのような製作にも対応可能です。お客様の「こんなものを作りたい」という想いを、ぜひ私たちにお聞かせください。当社の技術力と経験で、その夢を形にします。
無事立会検査も終了いたしました。
株式会社上村製作所
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天体望遠鏡を買う前に読めば良いホームページ【姫路科学館】
https://www.city.himeji.lg.jp/atom/planet/info/telescope/buy_tele1.html
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