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【無酸素銅C1020溶接のプロが解説!高精度板金加工と歪取り技術で高品質製品を実現】

【無酸素銅C1020溶接のプロが解説!高精度板金加工と歪取り技術で高品質製品を実現】

ものづくりだより64号

【はじめに】

おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。今回は、無酸素銅C1020を使用した板金溶接加工品について、弊社の高度な技術と経験を交えながらご紹介します。この記事では、無酸素銅C1020の特性から、実際の加工事例、そして高品質な製品を実現するための技術まで、詳しく解説していきます。

【製品概要】

今回ご紹介する製品は、板厚3.0mm、W=980mm、H=310mm、D=650mmの箱形状のワークです。この製品の特筆すべき点は、柱が細いために溶接による変形が発生しやすい形状であることです。しかし、弊社の高度な歪取り作業により、お客様の要求精度内に仕上げることができました。また、窓部分にはパネルをねじ止めするためのタップ加工や、別パーツの銅板金部品の取り付けも行っています。

無酸素銅鈑金溶接品

「溶接による変形が発生しやすい細い柱部分も、高度な歪取り技術で要求精度内に仕上げています。」

【溶接技術】

この製品の溶接には、TIG溶接を採用し、パルス制御を行うことで、より精密な溶接を実現しました。また、シールドガスにはアルゴン+ヘリウムガスを使用し、溶接品質の向上を図っています。これらの技術により、無酸素銅C1020の特性を最大限に活かし、高品質な溶接を実現しています。

【無酸素銅C1020の特徴】

無酸素銅C1020は、酸素含有量が極めて少ない純銅であり、優れた溶接性を持つ材料です。しかし、材料が高価であり、価格変動も大きいため、調達・保管には注意が必要です。

【銅の種類と溶接性】

銅にはいくつかの種類があり、それぞれ溶接性が異なります。

  • タフピッチ銅C1100:溶接時に水素脆化が発生しやすく、溶接には不向きです。
  • リン脱酸素銅:タフピッチ銅の水素脆化対策品ですが、導電率は劣ります。

無酸素銅C1020は、これらの銅と比較して、溶接性と導電性のバランスが取れた材料と言えます。

【銅製品の製作について】

近年、銅製品の製作依頼が増加していますが、銅は溶接後の表面仕上げなど、取り扱いが難しい材料です。弊社では、豊富な製作実績とノウハウで、お客様のニーズにお応えします。特に、無酸素銅C1020の溶接においては、高度な技術と経験が求められます。

【表面処理】

溶接後には、無電解ニッケルメッキを施し、美しい仕上がりを実現しました。表面処理は、製品の美観だけでなく、耐久性や耐食性を向上させるためにも重要な工程です。

【現在の弊社の技術】

2017年の記事公開後、弊社の技術はさらに進化し、無酸素銅C1020をはじめとする多種多様な素材に対応する板金加工技術と高度な溶接技術、そして歪取り技術を確立しています。お客様の多様なニーズにお応えできるよう、常に技術の向上に努めています。

【まとめ】

無酸素銅C1020の溶接は、高度な技術と経験が求められます。弊社では、長年の経験と確かな技術で、お客様のニーズにお応えします。銅製品の製作に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。お客様の製品に関する困りごとを解決しビジネスに繋がるよう高品質な製品をご提供いたします。

[お問い合わせはこちら]株式会社上村製作所
[電話番号]075-982-2931
[ホームページURL]https://www.kamimura.co.jp

おすすめリンク
一般社団法人 日本銅センターさんのホームページ

http://www.jcda.or.jp/

無酸素銅鈑金溶接品

無酸素銅鈑金溶接品

 

【無酸素銅C1020溶接】気密性と変形抑制の法則

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