【難易度MAX】無酸素銅(C1020)溶接のすべて|高品質な溶接を実現する秘訣
ものづくりだより266号
【はじめに】
- 皆さん、こんにちは。溶接管理技術者の上村昌也です。今回は、無酸素銅(C1020)の溶接について、その技術的な課題と解決策を詳しく解説しま
す。無酸素銅(C1020)は、高い熱伝導率と電気特性から、様々な産業分野で重要な材料ですが、その特性ゆえに溶接は非常に難しいとされていま
す。この記事では、高品質な溶接を実現するための秘訣を、実際の事例を交えながらご紹介します。
【無酸素銅(C1020)とは?】
- 無酸素銅(C1020)は、純度が非常に高く、酸素含有量が極めて少ない銅です。そのため、高い熱伝導率と電気伝導率を持ち、真空特性にも優れています。主な用途としては、半導体製造装置、電子機器、真空装置などが挙げられます。これらの分野では、高度な性能が求められるため、無酸素銅
(C1020)の高品質な溶接が不可欠となります。
【無酸素銅(C1020)溶接の難しさ】
- 無酸素銅(C1020)の最大の課題は、その非常に高い熱伝導率です。鋼の約8倍という高い熱伝導率のため、溶接時に熱が急速に奪われ、適切な溶融と接合が難しくなります。また、溶接割れやブローホールといった溶接欠陥が発生しやすく、高度な技術と経験が必要です。今回の事例では、異種金属であるC1220(りん脱酸銅)との組み合わせであり、より慎重な作業が求められました。
【溶接条件と技術】
- 無酸素銅(C1020)の溶接では、適切な予熱が非常に重要です。母材全体を均一に450℃前後に予熱することで、溶接時の熱伝導を制御し、安定した溶融を促します。TIG溶接では、適切な電流値、シールドガスの選定、溶加棒の選定が重要です。今回の事例では、He+Arのシールドガスを使用し、NCU-Rの溶加棒を使用しました。
【ヘリウムリークテスト】
- 高真空製品の場合、ヘリウムリークテストは最終的な品質を保証するために不可欠です。まず水没試験で目視による検査を行い、その後ヘリウムリー
クディテクタを使用して微細なリークを検出します。規定値以内のリーク量であることが、高品質な製品の証となります。
【実機製作での苦労と対策】
- モックアップと実機では、材料の大きさや形状が異なるため、溶接の難易度が大きく変わります。実機では、電流値を上げると溶接欠陥が発生
しやすいため、慎重な調整が必要です。溶接後の洗浄と酸洗いは、製品の美観と品質を保つために重要な工程です。
【まとめ】
- 無酸素銅(C1020)溶接は、高度な技術と経験が必要ですが、適切な知識と技術があれば高品質な製品を作ることができます。この記事が、無酸素銅
(C1020)溶接でお困りの方々の参考になれば幸いです。特殊金属溶接に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
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