溶接管理技術者経営ブログ

【MAG溶接】CO2用ワイヤは混合ガスでも使える?強度への影響を解説

ものづくりだより75号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
今回は、CO2用ワイヤを混合ガスで使用する場合の影響について解説します。

【CO2用ワイヤは混合ガスでも使える?】
結論から言うと、CO2用ワイヤは混合ガスで使用しても問題ありません。ただし、溶接金属の強度が
上がるという点に注意が必要です。

【溶接金属の強度が上がる理由】
CO2溶接では、炭酸ガスがアーク熱で分解され、酸素が溶融金属中の炭素と結合します。この結合が
不十分だと、ブローホールなどの溶接欠陥につながります。

CO2用ワイヤには、この欠陥を防ぐため、シリコン(Si)とマンガン(Mn)が含まれています。
これらの元素は、酸素と結合してスラグとなり、溶融金属外へ放出されます。
しかし、混合ガスを使用した場合、CO2ガスに比べて酸素が少ないため、Si,Mnが十分にスラグ化せず、
溶接金属中に残留します。これが、溶接金属の強度を上げる要因です。

【使用上の注意点】
CO2用ワイヤを混合ガスで使用する場合、以下の点に注意が必要です。

  • 溶接金属の強度が上がることを考慮し、設計強度を確認する
  • 溶接条件によっては、Si,Mnの残留量が多くなり、靭性が低下する可能性がある
  • 混合ガス用ワイヤの使用を推奨

【現在の弊社のMAG溶接】
2017年の記事から更に技術が向上し、様々なワイヤーとシールドガスを使いこなし、高品質な
MAG溶接を提供しています。

【まとめ】
CO2用ワイヤは混合ガスでも使用できますが、溶接金属の強度に影響が出ることを理解して
おきましょう。

MAG溶接に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

※:溶接管理技術者試験にも出ます。

CO2用ワイヤと混合ガス

CO2ガスと混合ガス用ワイヤ

”上記の組合せをした場合の、現象を述べよ”

このような問題は溶接管理技術者試験に出ますので理解しておいた方が良いです。

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