溶接管理技術者経営ブログ

ステンレス鋼の新たな潮流!二相ステンレス鋼の溶接技術を学ぶ

ステンレス鋼の新たな潮流!二相ステンレス鋼の溶接技術を学ぶ

ものづくりだより446号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
先日、2023年度溶接工学企画講座「ものづくりのベースとなる研究・開発のレビュー&トレンド」を
受講しました。 テーマは「二相ステンレス鋼の溶接部性能確保のポイントと組織制御」です。

近年、スタンダード二相およびスーパー二相ステンレス鋼の取り扱いが増えており、今一度、
材料の歴史や成り立ち、オーステナイト鋼などとの特性の違いを深く理解したいと考え、
受講に至りました。

二相ステンレス鋼については、以前、溶接指導者講習で元高田工業の安西さんから材料特性や
溶接時の諸注意をご指導いただき、理解していましたが、今回はさらに溶接部の性能確保の
ポイントや溶接管理などを詳しく学ぶことができました。

二相ステンレス鋼の最大の特徴は、何と言っても窒素を含有させることでニッケル量を大幅に
減少できることです。 さらに強度も上がり、耐孔食指数(PRE)も高く、非常に優れた材料です。

例えば、ステンレス鋼の代表格であるSUS304とニッケル量を比較した場合、以下のようになります。

  • SUS304: Ni 8%、耐孔食指数(PRE) 18
  • リーン二相 SUS821L1: Ni 2%、耐孔食指数(PRE)27

上記のように、リーン二相ではニッケルの使用量を抑えつつ、耐孔食性を高めることができます。
地政学情勢が不安定な現在において、ニッケルの使用量を抑えることはコスト上昇の抑制にも
つながります。 また、強度が高いため材料の薄肉化が可能となり、使用量単価の低減も期待できます。

このように良いこと尽くめの二相ステンレス鋼は、今後SUS304からの置き換えが進むと
思われますが、すぐに全てが二相ステンレス鋼に変わるとは考えられません。
なぜなら、材料を取り扱っている販売店が現時点では限られていることや、知名度が今一つで
あることが挙げられます。 溶接に関しても、それなりの知識や管理が必要になります。

しかし、間違いなく二相ステンレス鋼が主流になる時代が来るでしょう。

溶接学会では様々なセミナーが開催されており、新しいことに挑戦する際に心強い存在です。
ただし、タイミングがあるので、今後のことを先読みして受講されることをお勧めします。

参考サイト
溶接学会
二相ステンレス鋼(Duplex)

株式会社上村製作所
[電話番号]075-982-2931
[お問い合わせはこちら]お問合せページへのリンク
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#アルミ溶接 

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