【アルミ溶接の匠が蘇らせる!GSX1100Sカタナ燃料タンク修理の全貌】
ものづくりだより278号
【はじめに】
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
今回は、ネットを通じてご依頼いただいた、GSX-1100Sカタナのアルミ製燃料タンク改修作業についてご紹介します。バイク好きなら
誰もが憧れる、あの「刀」の燃料タンクです。長年の経験と技術を駆使し、お客様の愛車を蘇らせた作業の全貌をご覧ください。
【材料と工法】 材料: アルミ製(詳細不明) 工法: Tig溶接 溶接パラメーター:
- 電源装置: Panasonic YC-300BP4 交流
- 溶接電流: 110A
- 交流周波数: 200Hz
- 溶加棒: A5356BY φ1.6
- 電極: 純タングステン
- シールドガス: Ar
- 予熱: NA
【修理に至るまでの背景】
お客様のGSX-1100Sは、本来の鋼製タンクから特注のアルミ製タンクへと交換されていました。しかし、タンクとフレームの取付部分に
応力がかかり、振動によるクラックが発生。時間の経過とともに亀裂が広がり、修理が必要な状態となったのです。
【匠の技が光る修理工程】
今回の修理では、まずクラックが入ったタンクのステーをアルミ板で補強し、全周溶接を行いました。普段は塗装品の取り扱いは少ないの
ですが、お客様の特別なご依頼にお応えするため、細心の注意を払いながら作業を進めました。
【GSX-1100Sとバイクの歴史】
GSX-1100Sは、私の20代の頃に発売された、斬新なデザインで一世を風靡したバイクです。しかし、当時は昭和50年の道路法改正により、大型二輪免許の取得が非常に困難でした。小型、中型、大型と3段階に区切られ、特に大型免許は都道府県の運転免許試験場でしか
取得できませんでした。多くの方々が中型免許取得に留まり、大型バイクへの憧れを抱きながらも、その夢を叶えることができなかった
時代でした。
【カタナと「刀狩り」】
1980年に発表されたGSX-1100S(国内仕様は1982年発売)は、規制の影響で750ccモデルとして登場しました。オリジナルのセパレートハンドルも、規制により「耕運機」と揶揄されるほどの奇妙な形状に変更され、多くのファンを失望させました。その後、海外仕様への改造が流行しましたが、違反改造として取り締まりの対象となり、「刀狩り」と恐れられるほどでした。
【現代に蘇るカタナの魅力】 現在、GSX-1100Sの中古車が人気を集めているのは、当時若者だった世代が、容易になった大型免許を取得し、憧れのバイクに乗ることができるようになったからです。RS(Z2)やZ1といった名車と同様に、GSX-1100Sもまた、時代を超えて人々を魅了し続けています。
【まとめ】 今回のGSX-1100Sアルミ燃料タンクの修理は、単なる修復作業ではありません。お客様の愛車に対する想い、そしてバイクの歴史と文化に触れる、非常に貴重な経験となりました。私たち上村製作所は、長年培ってきた高い技術と豊富な経験を活かし、お客様のニーズに合わせた最適なソリューションを提供いたします。板金加工・溶接に関するご相談なら、ぜひ当社にお任せください。
バイクブロスさんのサイトでKATANA のレビューがあります。
https://www.bikebros.co.jp/catalog/3/89_10/
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