「ヘリウムガスボンベ カート台車 製作」
ものづくりだより270号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
【はじめに】
この記事では、半導体製造装置組立企業様からのご依頼で製作した、ヘリウムガスボンベ用カート台車についてご紹介します。
現場での使いやすさを追求し、コンパクトながらも安全性を考慮した設計となっています。ステンレス(SUS304)を使用し、TIG溶接で
丁寧に仕上げました。製作過程や工夫した点などを詳しく解説していきます。
*ご依頼の背景と製品概要*
半導体製造装置の組み立て現場では、ヘリウムガスボンベの移動に課題がありました。そこで、お客様のご要望を細かくヒアリングし、
以下の要件を満たすカート台車を製作しました。
- 現場での取り回しやすさを考慮したコンパクト設計
- 安全にボンベを運搬できる安定性
- オプション機器(ボールバルブ、ガスフローメーター)の取り付け
*材料と溶接方法*
カート台車の主な材料は、ステンレス(SUS304)の2.0mmと3.0mmの板材です。ステンレスは耐食性に優れ、クリーンな環境での使用に
適しています。溶接には、TIG溶接(直流パルス)を採用し、以下の条件で作業を行いました。
- 電源装置:Panasonic YC-300BP4
- 溶接電流:4A
- パルス電流:135A
- パルス周波数:3.5Hz
- パルス幅:30%
- 溶加棒:1.0mm
- 電極:レアアースタングステンφ2.4mm
- シールドガス:Ar
TIG溶接は、スパッタ(溶接時に飛び散る火花)が少なく、美しい仕上がりが特徴です。ステンレスの特性を活かし、高品質な溶接を行いました。
*製作過程と工夫*
製作にあたっては、お客様との綿密な打ち合わせを重ね、ご要望を正確に把握することに努めました。製作途中では、カート背面へのボールバルブと
ガスフローメーターの取り付けをご提案いただき、迅速に設計変更を行いました。
一見、不安定に見えるかもしれませんが、重心の位置やキャスターの配置を工夫することで、転倒防止対策も万全です。細部にまでこだわり、
安全性を確保しました。
【まとめ】
今回のヘリウムガスボンベ用カート台車の製作では、お客様のニーズに応え、安全で使いやすい製品を提供できました。板金加工から溶接、組み立てまで、一貫した自社対応が当社の強みです。お客様の課題解決に貢献できるよう、今後も技術力向上に努めてまいります。
板金加工・溶接に関するご相談・お見積もりは、お気軽にお問い合わせください。
株式会社上村製作所
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