溶接管理技術者経営ブログ

深刻なヘリウムガス不足*アルミ溶接への影響と対策

深刻なヘリウムガス不足*アルミ溶接への影響と対策

おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。

皆様ご存知の通り、ヘリウムガスの価格が再び改定され、値上げとなりました。今回の値上げは1本あたり2800円で、
2020年1月の出荷分から適用されています。

なぜ、これほどまでにヘリウムガスの価格が高騰しているのでしょうか。その背景には、世界的なヘリウムガスを取り巻く複雑な事情があります。

* 【ヘリウムガス値上げの背景】

* *ヘリウム調達コストの世界的上昇
* 世界最大の輸出国である米国では、BLMからの民間向けヘリウム供給が制限されており、カタールからのヘリウム出荷量も減少傾向にあります。
* 世界的にヘリウムの生産量増加が見込めない状況が続いています。

* *容器投入コストの増加
* 需要の逼迫により、顧客による容器の抱え込みが慢性化し、容器不足が深刻化しています。

これらの要因が複合的に作用し、ヘリウムガスの価格高騰を招いています。新聞紙上でもヘリウムのコスト上昇に関する記事が取り上げられています
が、アルミ溶接に不可欠なヘリウムガスの度重なる値上げは、私たち溶接業者にとって非常に厳しい状況です。

しかし、需要家としては安定供給が最も重要であり、値上げを受け入れざるを得ないのが現状です。

* 【ヘリウムガスの需要と供給】
* ヘリウムガスは、MRI、光ファイバー、半導体、リークテストといった先端産業で重要な役割を果たしています。
* 特に光ファイバー製造におけるヘリウム消費量は、予想をはるかに上回る量でした。
* 溶接分野におけるヘリウム消費量は、全体の6番目であり、最大の需要地は北米です。
* より詳細な情報は、みずほ総合研究所の2015年版レポートをご覧ください。
* 参考資料:みずほ総合総研レポート2015年版

ヘリウムガス価格の高騰は、私たち溶接業者だけでなく、多くの産業に影響を与えています。今後も状況は不透明ですが、弊社では製作品の
安定供給に努め、お客様への影響を最小限に抑えるよう努力してまいります。

今後とも、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

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