【CO2溶接のスパッタ激減!プロが伝授する3つの秘蔵レシピ】
ものづくりだより376号
【はじめに】
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。今回は、CO2溶接におけるスパッタ対策の秘蔵レシピを、以前アップステアーズ株式会社の成川社長にご教授いただいた内容をベースに、さらに深く掘り下げてご紹介します。スパッタは、溶接品質を低下させ、作業効率を悪化させるだけでなく、見た目の美しさも損なう厄介な問題です。しかし、適切な対策を講じることで、スパッタを大幅に低減し、高品質な溶接を実現できます。
【低スパッタ化を実現する3つの条件】
CO2溶接のスパッタを低減するためには、以下の3つの条件を満たすことが重要です。
- 【デジタル溶接機の活用】:データ管理と再現性で、高品質溶接を実現
- 【シールドガスの最適化】:混合ガスへの変更で、スパッタを大幅に低減
- 【溶接ワイヤーとコンタクトチップの選定】:メッキレスワイヤーとFAチップで、安定性と生産性を向上
【各条件の詳細解説】
- 【デジタル溶接機の活用】:職人の技をデータ化し、誰でも高品質な溶接ができるようにする
デジタル溶接機は、最適な溶接条件をデータとして記録し、ジョブ番号で管理することで、誰でも短時間で高品質な溶接を再現できます。特に、パルス溶接機を使用すれば、さらに細かい制御が可能となり、高品質な溶接を実現できます。熟練した職人の技術をデータ化し、共有することで、経験の浅い作業者でも安定した品質の溶接を行えるようになります。
デジタル溶接機による精密な溶接
- 【シールドガスの最適化】:炭酸ガスから混合ガス(Ar80% CO2 20%)に変更することで、スパッタを大幅に低減する
炭酸ガスから混合ガス(Ar80% CO2 20%)に変更することで、特に200A前後のスパッタが多い領域で、スパッタを大幅に低減できます。ガスメーカーも研究開発を進めており、最適なガスを選ぶことで、溶接品質をさらに向上させることが可能です。適切なガスを選択することは、スパッタ対策だけでなく、溶接の安定性や仕上がりの美しさにも大きく影響します。
- 【溶接ワイヤーとコンタクトチップの選定】:メッキレスワイヤーを使用することで、ワイヤー可動部の粉塵堆積を減らし、メンテナンス頻度を低減する
メッキレスワイヤーは、ワイヤー可動部の粉塵堆積を減らし、メンテナンス頻度を低減します。また、ダイヘン製FAチップを使用することで、ワイヤーの送給性を向上させ、安定した溶接を実現できます。これらの高品質な溶接材料を使用することは、作業効率を高めるだけでなく、溶接部の耐久性向上にもつながります。
高品質な溶接材料が安定した溶接を実現
【まとめ】
これらの秘蔵レシピを活用することで、CO2溶接におけるスパッタを大幅に低減し、高品質な溶接を実現できます。設備投資やランニングコストは増加する可能性がありますが、生産性向上による利益増加を考慮すれば、十分に投資効果が見込めます。弊社は2021年8月にフローニウス製デジタル溶接機TPS/i+CMT500を導入し、高品質な溶接を提供しています。CO2溶接をはじめとする様々な精密板金加工に対応しておりますので、溶接に関しましてさらに詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。
参考
間違いだらけの溶接商品選び
(更新されていませんが‥成川さんどうされているのでしょう?)
http://blog.livedoor.jp/matigaidarakeno/archives/2008-03.html
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