【TIG溶接の極意】歪みを最小限に!プロが伝授する秘蔵レシピ
ものづくりだより377号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
今日は、TIG溶接における低歪化の秘蔵レシピを公開します。
以前、アップステアーズ株式会社の成川社長にご教授いただいた低歪の条件を、
さらに詳しく解説していきます。
【低歪を実現する4つの条件】
1. 【デジタル溶接機の活用】:精密な制御と可視化で、最適な溶接条件を設定
2. 【溶接速度の高速化】:入熱を抑え、歪みを最小限に
3. 【パルス溶接の最適化】:パルス幅と周波数の調整で、溶融プールをコントロール
4. 【温度管理の徹底】:溶接順序と冷却方法で、歪みの発生を抑制
【各条件の詳細解説】
1. 【デジタル溶接機の活用】:アナログ機に比べ、最低電流が低く、細かい制御が可能です。
電流値や電圧値をリアルタイムで確認できるため、最適な溶接条件を容易に設定できます。
2. 【溶接速度の高速化】:入熱を抑えることが、歪みを減らす最も重要なポイントです。
ステンレスの場合、水素入りシールドガスを使用することで、アーク力を高め、溶け込みを良くし、
電流値を下げることが可能です。同じ速度であれば電流値を下げ、同じ電流値であれば溶接速度を
上げることで、歪みを低減できます。
3. 【パルス溶接の最適化】:パルス幅とパルス周波数の設定が重要です。パルス幅は、ベース電流40%、
溶接電流60%を目安に、溶接材料や板厚に合わせて調整します。パルス周波数は、高いほど
溶融プールが細かくなり、歪みが抑えられます。溶加棒を使用する場合は、150Hz以上が推奨されます。
4. 【温度管理の徹底】:溶接順序や冷却方法を工夫し、溶接部の温度を早く下げることが重要です。
治具やバッキングを活用し、効率的な冷却を行いましょう。
【その他のポイント】
* タングステンの研磨方法:研磨角度や先端形状によって、アークの集中度や形状が変化します。
様々な研磨方法を試し、最適な方法を見つけましょう。
* PDCAサイクルの活用:実験と検証を繰り返し、最適な溶接条件を見つけ出すことが重要です。
【まとめ】 これらの秘蔵レシピを活用することで、TIG溶接における歪みを最小限に抑え、
高品質な溶接を実現できます。ぜひ、実践してみてください。
上村製作所では、TIG溶接をはじめとする様々な精密板金加工に対応しております。
溶接に関するご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
次回はCo2編です。
参考
間違いだらけの溶接商品選び
(更新されていませんが‥成川さんどうされているのでしょう?)
http://blog.livedoor.jp/matigaidarakeno/archives/2008-03.html
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