【高精度実現】SUS316L高真空チャンバー製作の全工程を徹底解説
ものづくりだより62号
【はじめに】
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。今回は、SUS316L材を使用した高真空向けチャンバーの製作事例をご紹介します。高品質な真空チャンバー製作において、弊社の技術と経験がどのように活かされているのか、その舞台裏を詳しく解説していきます。
【材料と加工】
材料には、耐食性と真空特性に優れたSUS316L(板厚3mm)を選定しました。まず、レーザー切断で精密な形状に切り出し、次にベンダーで曲げ加工を行います。ここでは、試し曲げを繰り返しながら、要求される公差内に寸法を仕上げ、美しい外観も実現しました。溶接前の準備も重要です。突き合わせ溶接の精度を高めるために、樹脂ハンマーなどで形状を微調整し、わずかな歪みも見逃しません。
精密なレーザー切断と熟練のベンダー加工技術が、高品質なチャンバー製作の第一歩。
【溶接技術】
溶接は、内外面突き合わせ溶接を採用しました。標準トーチでは干渉してしまう狭い箇所には、ウエルドクラフト製小型ヘッドトーチを使用し、細部にまで気を配ります。両サイドの加工フランジを取り付ける前には、浸透探傷試験を実施し、溶接部の品質を厳しくチェックします。その後、内面研磨業者へ依頼し、内部を丁寧に研磨します。
狭い箇所も精密に溶接する高度な技術。浸透探傷試験で品質を確保
【真空検査と仕上げ】
研磨後、ヘリウムディテクターによる真空検査を行い、目標真空度を達成しました。この検査は、わずかなリークも見逃さないための重要な工程です。最後に、フランジ溶接の最終工程を経て、電解研磨で表面を美しく仕上げ、お客様へ納入しました。
【弊社の強み】
弊社では、過去にも同様のチャンバー製作実績が多数あり、今回もスムーズに工程を進めることができました。直径210mm、高さ270mmのチャンバーは、弊社の技術力を示す一例です。
【現在の弊社の技術】
2017年の記事公開後、弊社の技術はさらに進化し、SUS316Lをはじめとする多種多様な素材に対応する真空チャンバー製作において、高度な精度と品質を実現しています。長年の経験に裏打ちされたノウハウと、最新鋭の設備を駆使し、お客様のあらゆるニーズに柔軟に対応できる体制を確立しました。
【まとめ】
高真空チャンバーの製作は、高度な技術と経験が求められます。弊社では、長年の経験と確かな技術で、お客様のニーズにお応えします。高真空チャンバー製作に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
[お問い合わせはこちら]株式会社上村製作所
[電話番号]075-982-2931
[ホームページURL]https://www.kamimura.co.jp
真空ってなんだのページ
https://www.shimadzu.co.jp/kokonimo/article/05.html
曲げ加工に苦労しました。
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