【高品質ステンレス溶接】SUS304配管とNWフランジの精密接合事例
ものづくりだより311号
【はじめに】
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。今回は、SUS304 50A TP-S Sch40配管とNWフランジの溶接、そして水圧試験による漏れ検査の事例をご紹介します。高品質な配管溶接をお求めの皆様に、当社の技術力と対応力をお伝えできればと思います。
【SUS304配管とNWフランジの精密溶接】
今回の案件では、SUS304 50A TP-S Sch40配管の両端にNWフランジを溶接する作業を行いました。重要なポイントは、溶接部の気密性を確保し、水圧試験に合格する高品質な溶接を行うことです。
- 高品質溶接のための工程
- 配管とフランジにC1.5の開先加工を施し、溶接時の密着性を高めます。
- 両サイドの開口部をアルミテープで塞ぎ、酸化防止のためにアルゴンガスを注入します。
- ターンテーブルを使用し、Tig溶接で均一かつ精密な溶接を行います。
【溶接条件と技術的ポイント】
今回の溶接で使用したパラメーターは以下の通りです。
- 電源装置: Panasonic YC-300BP4 直流
- 溶接電流: 100A
- 交流周波数: NA
- 溶加棒: SUS308L φ1.6
- 電極: レアアースタングステン
- シールドガス: Ar
- 予熱: NA
高品質な溶接には、精密な準備と高度な技術が不可欠です。
これらのパラメーターは、材料の特性と要求される品質に基づいて最適化されています。特に、アルゴンガスを用いたシールドは、溶接部の酸化を防ぎ、高品質な仕上がりを実現するために不可欠です。
バックシールドガスを流してます。
【水圧試験と品質管理】
溶接後、ブラインドフランジを用いて気密性を確認し、水圧試験を実施しました。この試験は、溶接部の漏れがないかを厳格にチェックするもので、高品質な配管を提供するために欠かせません。試験後、配管の表面仕上げを行い、お客様の元へ納入しました。
厳格な水圧試験により、溶接部の気密性を確認します。
【TP-SとTP-Aの違いについて】
今回の案件で使用した50A TP-Sシームレスパイプについて少し解説します。溶接管であるTP-Aとの違いにご注意ください。図面にこれらの区別が明確に記載されていない場合、自己判断は避け、必ずお客様に確認を取ることが重要です。材料の手配ミスは、大きなトラブルにつながる可能性があります。
- シームレスパイプ(TP-S)と溶接管(TP-A)の違い
- シームレスパイプは溶接管に比べ、肉厚がわずかに薄く、より高い強度を持ちます。
- 50A程度の配管サイズは、加工が比較的容易であり、当社の得意とするサイズの一つです。
- 高品質な溶接のために
- 内面にガスを流しながら溶接することで、焼けを防ぎ、後処理の手間を軽減できます。
【まとめ】
今回のブログでは、SUS304 50A TP-S Sch40配管とNWフランジの溶接事例を通じて、当社の高い技術力と品質管理体制をご紹介しました。配管の溶接、加工に関するご相談は、ぜひ当社までお寄せください。お客様のニーズに最適なソリューションをご提供いたします。
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