【世界初】ホンダCBR1000RR SP/SP2 チタン製燃料タンク開発秘話
ものづくりだより113号
おはようございます溶接管理技術者の上村昌也です。
今回は、ホンダCBR1000RR SP/SP2に世界で初めて採用されたチタン製燃料タンクの
開発秘話をご紹介します。
【チタン採用の背景】
ホンダは、鉄の10倍以上も高価な純チタンを燃料タンクに採用しました。これは、徹底的な軽量化と
商品価値向上を目指した結果です。チタンは、鋼より軽くアルミより少し重い素材ですが、樹脂製
よりも強度が高く、燃料タンクに適しています。
※比重は鋼7.8 チタン4.5 アルミ2.8鋼より軽くアルミよりすこし重いと思えば良いかと思います。
【チタン加工の難しさ】
チタンは非常に硬く、熱伝導率が低いため、加工が難しい素材です。特に、燃料タンクのような複雑な
形状をプレス成形する際には、シワや割れ、スプリングバックが発生しやすいという課題がありました。
燃料タンクにするには2分割にプレス成型をして、その後へりを溶接を行い気密性をもたしているの
です。
【ホンダの技術力】
ホンダは、既存の設備に電動サーボプレス機とNCクッションを組み合わせ、加圧力と速度を精密に制御
することで、これらの課題を克服しました。また、材料の圧延方向を工夫することで、プレス時の問題を
クリアしています。
この後、溶接工程です。2つ割れに成型した部材をスポット溶接にて仮止めをします。仮止め後作業者が手作業でシーム溶接をしていきます。ここで問題なのは、スポット溶接です。
【溶接技術の革新】
燃料タンクの溶接工程では、スポット溶接時の金属飛散が問題となりました。ホンダは、スポット溶接機
を交流式からインバータ式に変更することで、この問題を解決しました。インバータ式溶接機は、電流の
ピーク値を下げて過熱を抑制できるため、チタンの溶接に適しています。
チタンは局所的に発熱するためスポット溶接時の金属がたくさん飛びます。
【まとめ】
チタン製燃料タンクの開発は、ホンダの高度な技術力と挑戦精神を示すものです。量産技術の確立は非常
に難しかったと思いますが、本田技術研究所のレベルの高さを感じます。ぜひ、塗装前のチタン製燃料
タンクを見てみたいものです。
【現在の弊社の技術】
2017年の記事公開後、弊社の技術はさらに磨きがかかり、チタン溶接をはじめとする難加工材の
溶接技術も進化しています。
【まとめ】
チタン溶接に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
※交流式は正弦波のためピーク値の電流が大きすぎチタンの過熱がおきやすい
インバータ式は矩形波のため、電流のピーク値を下げて過熱を抑えることができるから良い。
※余談ですがバフ研磨の際に集中的に仕上げると表面に焼けが入って光沢が
出ないので難しいことを研磨屋さんが言っていました。
グラインダーで削っても火の粉がすごく明るいのが印象的です。
※シーム溶接とは、上下のローラーが材料の平たい所を挟み込み送っていくと溶接が出来上がっていく。
[お問い合わせはこちら]株式会社上村製作所
[電話番号]075-982-2931
[ホームページURL]https://www.kamimura.co.jp
これがチタン製燃料タンク
チタン燃料タンク 上村製作所
03.04.2020更新
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