ヘリウムの威力は強烈
ものづくりだより400号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
めちゃめちゃ仕入れ単価が上がっているヘリウムガスですが
先日ジュラルミン(A2017)の溶接をしたときに
ヘリウム混合ガスの威力が強烈だったので報告したいと思います。
材料
A2017(ジュラルミン)W550×380×30
工法
TIG溶接
溶接パラメーター
電源装置:Panasonic YC-500WX4 AC
溶接電流: 350A
パルス電流: NA
パルス周波数: NA
パルス幅: NA
交流周波数:100Hz前後
溶加棒: A2319BY 3.2mm
電極: 純タングステン
シールドガス : Ar
予熱 : 200℃
電源装置:Panasonic YC-300BP4 AC
溶接電流: 250A
パルス電流: NA
パルス周波数: NA
パルス幅: NA
交流周波数:200Hz
溶加棒: A2319BY 3.2mm
電極: 純タングステン
シールドガス : Ar+He(80%)
予熱 : 200℃
まとめ
パラメーターを参照いただければ一目瞭然でヘリウムの
パワーの凄さがわかると思います。当初純アルゴン500A機で
300Aぐらいの電流で溶けると思っていたのですが、
全く反応がなかったので、BP4-300Aに変更しました。
単なるインバータ機とデジタル機との違いではありません。
細かい制御ができるのがデジタル機の特徴ですが
インバータ機もまだまだ使えます。
そんなことで本来なら500A機で溶接が可能と考えるのですが
純アルゴンだとここまで力がないのがわかりました。
なぜアルゴンではパワーがなくヘリウムの方がパワーが
あるのかは以前サイトでご紹介していますので参照して下さい。
ヘリウム入りのガスはかなりコスト高ですがそれなりの価値は
十分あると考えます。最近めっきり500A機で溶接する機会が
減りました。
参考
溶接学会論文 https://www.jstage.jst.go.jp/article/qjjws/31/1/31_80/_pdf
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