溶接管理技術者経営ブログ

ダイヘン対パナソニック 横綱ガチンコ勝負?

ものづくりだより70号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。

ダイヘン対パナソニック 横綱ガチンコ勝負?

07.08.2020 アップデート
10.01.2020
10.11.2021

今日は溶接機のお話を皆さんと
情報共有したいと思います。

 

:溶接電源

溶接機は用途によりTIG.MAG.MIG、プラズマ溶接機、
サブマージアーク溶接機、抵抗溶接機、交流アーク溶接機
などが有ります。

弊社の主力溶接機であるTIG溶接機に付きまして少しお話し
したいと思います。

・ティグ溶接機とは

・サイリスタ制御方式


市場に出回った最も古い制御方式。現在も現役で活躍しています。
もちろん販売もしています。作業者の意のままに溶接が可能でありますが
使いこなすには技量が必要です。またアークスタートは他の機種から比べれば
良いとは言えません。むにゅっとアークスタートします。ワンテンポ遅れると
言う感じです。

 

・インバータ制御方式

 

1980年代後半に出てきた画期的な制御方式の溶接電源です。
初めて使った時の感動は今でも忘れられません。

それほどアークスタートが良かったです。
ダイヘンのインバータエレコンが名機と言われる衝撃のデビュー!

 

・デジタル制御方式

 

最新式の制御方式はデジタル方式で、熟練溶接士が持っている
暗黙知のデーターをデジタル化によりノウハウを形式知化を
はかっている優れもの溶接機です。弊社も一部インバーター
制御方式の溶接機を残し全てデジタル化に更新しています。

記載通りの順番で進化しています。

デジタル溶接機の良い点

 

良い点は、機能等が正確な数値に表現出来るので
溶接作業記録を作成するための必要なデーターが、明文化されて
いるので判りやすいです。もちろんアークスタート性も良く
各機能が細かく制御できますので薄物溶接には大変重宝する機械です。

電源メーカー性能比較

・ダイヘン製

 

私の経験(私見)では、ダイヘン製デジタルTIG溶接機は、
アークが広がる傾向があり薄板溶接は溶け落ちが少なく
使いやすいと思います。逆にアルミの厚物とかはPanasonicと
比較した場合、溶け込みが少し弱く感じます。

同業者の話では、特に筐体がコンパクトなため250A~上で使用した
場合オーバーヒートで機械が止まるケースもあるそうです。

インバータエレコン時代は最高だった感じがします。他社を寄せ付けない
性能がありました。

追記
2018年に新機種(A350P)が発売されて筺体容量が大型化
それにより上記の様な動作はしないように思われます。
またアークが集中するようになり、Panasonic機と
違いがなくなってきたように感じられます。

明らかに以前のダイヘン機とは少し味付けが違います。

・Panasonic製

 

パナソニック製TIG溶接機はアークの集中が良いです。
アルミ溶接を300Aの溶接機で、ダイヘン製の溶接機でパワーが
足りなかった溶接作業が、パナソニック製の溶接機ではちゃんと
接合が出来たケースもあります。

そのかわりステンレス材料の薄板では溶け込みすぎて条件出しが
難しいケースもあります。

筐体デザインも素晴らしいです。操作パネルも使いやすく明瞭です。

10.01.2020 速報
BP4のバージョンアップ版が発売されました。

・交流TIG新波形『交流SPTIG モード』追加
   標準波形とソフト波形をベースに開発した事により
   ふらつきのない集中したアークが実現しアルミ薄板、隅肉継ぎ手で
   作業性が向上するとか‥

・直流周波数 1000Hz搭載しアーク指向性が向上。

・直流手溶接パルス機能を搭載。

以上がバージョンアップ内容です。

コメントできません。

まとめ

 

両メーカー特性があり溶接機の癖があるようで、それはそれで
良いと思います。デジタル制御になってどちらも良いものですし
プロが使うならこの2大メーカーです。どちらも近畿勢!

【ダイヘン or Panasonic】お取引の溶材商のルートの関係で
どちらかに偏る傾向が有ると思います。メーカーの好き嫌い?
溶接機のデザインとかあるでしょう。

パナソニックは子会社から本社の事業部に格上げされています。
本気度が感じられます。メーカーの営業マンも商売上手です。
創始者のDNAが引継がれています。
しかし溶材メーカやガス製造会社との関わりが薄く感じます。

早くBP4以上の新製品の発表が待ち遠しい。

片やダイヘン、溶接学会での役員、学会での論文発表など
学会活動大変熱心です。論文数も圧倒的に多いです。
溶接機専業に近いだけの事があります。

 

しかし営業マンは未だに殿様商売しています。
学会発表と商売はにてにつかぬ物です。展示会とかの対応も
今ひとつ商売気にかけます。

 

溶材メーカやガス製造会社は何故かダイヘン製を好んでコラボして
販売しています。なぜか関西勢でまとめている。

以上参考になれば良いのですが。


10.11.2021
フロニウス Tig溶接電源 マジックウェーブ230i

愛知産業の有吉さんがデモをしてくれました。
次のサイトでご案内しています。

番外編

CMTってご存知ですか?

オーストリアのフローニャス社が世界で始めて開発、
実用化した溶接プロセスのことです。

抵入熱溶接プロセス(コールドメタル・トランスファー)方式

 

ワイヤー走給と波形制御によるコントロールでスパッタを極限まで
減らした画期的な溶接方式です。

また溶接入熱が少ないため、ワークの変形も少なくなり
生産性も向上します。

弊社も導入に向けて、調査中です。

日本では愛知産業さんが輸入代理店をされていて、国内では
1000台近くが稼働されているそうですよ。

自動車メーカーさんの製造ラインで活躍していると聞きました。

 

愛知産業さんホームページのご紹介

https://www.aichi-sangyo.co.jp/products/fronius/TPSi.html

 

 

 

ダイヘン対パナソニック 横綱ガチンコ勝負?

 

ダイヘン A350P 

https://www.kamimura.co.jp/daihen-tig-a350p/

 

 

 

 

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